～  いいなって思う事を選択することが大事だと思う。悩んだ時には経営者として、俺がわくわくするとか俺が楽しいなとか、そっちを選ぶようにしているから  ～

ー現状店舗の営業を行う上で不安や不安に思うことはありますか？

ー久保田　志村けんさんが無くなってからは世の中ががらっと一変して、そこからやっぱり激変したよね。激変した。

ー感染者数がいきなり跳ね上がってきましたからね。

ー久保田　うちも少なからず客足がグッと収まっていったよね。どういう風にお客さんの不安をクリアにしながらやってくのかってことが凄く大事な所で。通所の営業とは違うから朝の掃除の消毒も全部やって、手消毒やマスクの着用ムービーや色々なSNSを使って促した。一人一人にそういう話もしてるしうちのお客さんは9割方理解してくれてる。

ー素晴らしいですね、今まで積み重ねてきた関係性ですね。

ー久保田　それはもうね。うちのお客さんは凄く良質なお客さんでいい関係をずっと築いてきたんだなってのはこういう時にわかる。ちゃんと僕らの話をしっかり聞いてくれて必要なものに対しては受けてくれる。うちで使ってる消毒液もお客さんの動物病院の先生が持ってきてくれてて。

ーそこまでしてくれるお客さんって中々いないですよね。

ー久保田　そうそう。営業するなら少しでも力になりたいって。俺達は助かってるわけだ。

ーちなみに在庫はどの位あるんですか？

ー久保田　毎週持ってきてくれてんの。

ー毎週！？

ー久保田　毎週エンドレス。掃除もこれでやってるから

ー衛生面でもしっかりと対策できますね。

ー久保田　そうそう。俺等ってお客さんとの人付き合いがすべてで色んな事やってる人と会うわけじゃん。色んな人が来て色んな会話をしていくから、やっぱりこういう時に手を挙げてくれるんだよね。

ー「こうした方がいいんじゃないか」とアドバイスをくれたり

ー久保田　そこがやっぱうちがこうして営業で来てる事の要因でもあるし。

ー久保田　俺等はパーソナルに対面で人付き合いをやってきているから言い辛いこと子お互いが言える。「（お客様から）消毒やってるんですか？」とか「（お客様に）マスクしてくれなきゃ困るよ」とか。

ーこちらも言いやすいってことですよね。

ー久保田　そうそう。自粛中は動ける範囲で気持ちの安堵がある所じゃないと行かないと思う。その行動範囲内でね、うちに来る人はお店がやってくれてて良かったって言ってくれるわけ。これ冗談だけどお客さんに「うちの店無くなっちゃったらどうするよ？」って聞いたの。そしたら「考えたことないそんなこと。俺の人生のルーティーンが無くなるなんて考えられない」って言うわけ。やっぱりそういう言葉を聞くとね、一日でもやっていかなきゃいけないなって余計思うよね。

ー気持ちに対して気持ちで返したい。

ー久保田　こういう人達に俺達は支持されて存在してた訳だから今までね。お客さんも心の拠り所があるからこその日々の生活を乗り越えていけると思う。それで俺達はやるって決意をして早いうちから対策を取ってきた。

ー久保田　これはメイドイン取手ね。俺の地元。取手の江戸てんさんでお願いしたの。うちは毎年夏場になると甚兵衛のフェアとか雪駄のフェアをやるから元々の付き合いがあって。毎年6月に周年祭ってのをやってるんですよ。

ー周年祭ですか？

ー久保田　そう。今年は断念したけど一年に一回起業した日にお祭りみたいな感じで仲間のお店を出してて、ここにもその商品をお願いしてる。今この素材でパンツ作ってて。

ーそれは麻ですか？

ー久保田　これはね、ダンガリー。コットンのダンガリー素材なんだけど洗うとすごく柔らかいの。打ち合わせをしてた時使い捨てマスクが足りないってなって、布製のマスクが必要になってきたよねって話が出てきたのね。それでこのダンガリー素材でマスク作れるんじゃないか？って。

ー受注をかけてたズボンで使うはずだった生地をマスクにシフトチェンジした、と。

ー久保田　ズボンも作りながらね。うちは医療系のお店じゃないからマスク頑張って販売したくないなってのがあって。

ーたしかに賛否両論が出そうですよね。

ー久保田　うん。だからベージュのコーディネートにベージュとかデニムのコーディネートにネイビーとか。一つの洋服のグッズ「ENJOY MOUTH WEAR」として、「ベスト・ジャケット・パンツ」スリーピースのイメージでベージュのコーディネートにはまるように。

ー久保田　そうそう。グッズとして売るんだったらやろうと。

ーマスクが足りない現状ではすごく重宝するものですよね。

ー久保田　うちは作る度に製品をアップデートしてるんだけど、一日で無くなっちゃうのね。必要な人に届けばいいなって始めたけど凄い反応で、予約してでも欲しいってなったからじゃあ来週も作ろうということで今継続してる。

ーちなみに予約はどの位？

ー久保田　8割位はもう埋まっちゃうよね。メイドイン取手で丁寧に作って貰ってるからやっぱり30枚～50枚が限界だよね。良い事の連鎖って広がっていくべきだから、お母さん達もちょっとミシンでやってみようとかさ、そういう所でまた新たな学びができてくれれば良いと思ってる。

ーちょっと真似してみようから始めるのも良いですよね。

ー久保田　そうなのよ。

ー久保田　いいなって思うことを選択するのが大事だと思う。自粛か営業か、どちらが良いかはわからない。だけど悩んだときにはわくわくするとか楽しいなと感じる方を選ぶようにしてる。そうするとね、ほとんど間違いないと思う。自分の好きなことをやるわけだから。自分の好きな事じゃなくて人が好きな事を選んじゃうと大きな間違いになる。

ーK2APARTMENTさんとしてこれから先の向き合い方は決まっていると。

ー久保田　決まってる決まってる。やっぱり仕事をする以上ある程度腹は決めてるわけよ。東日本大震災後にオープンした時も人が来なくて大変だったけど乗り越えて今がある。その時も自分に出来ることをまずやっていったから。

ー久保田　それしかないよね。何かを求めるよりはまず今やってきた事でこれからできる事うをどういう風にやっていくかを考えていかないと。自分が何が大変かっていうのは自分しかわからないんだから

ー余裕が無くなると頭も回らなくなりますよね

ー久保田　うん。だからまずは冷静になってコロナのワードを頭から外して、毎年この時期に自分が何をしているのかを思い出す。その中でできる事は継続していく。コロナで全て支配されちゃうとやることないでしょ。だから考えを切り離さないと。自分の生きていくビジョンは絶対にぶらさない方が良いと思う。そこに何か問題が乗っかってきた時にどうするか、臨機応変に対応していくだけ。

ーK2APARTMENTさんは強いですね。

ー久保田　普通でいることが大事なんじゃないかな？色んなことがいつもと変わってるねってなるけど俺のトークは変わらないし(笑)「SMILE AGAIN」じゃないけど「ENJOY SMILE」「ENJOY WORK」「ENJOY LIFE」やっぱり「ENJOY（楽しむ）」って事を忘れると本当つまんなくなるから。笑顔が無くなるんだから勝手に。

ーでは最後に決め台詞をお願いします。

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◇ライター 海老原慎
◇出身地：茨城県
◇現在の住まい：東京
◇直近の経歴（概略）：株式会社shootingstarで大手アパレルメーカーと独占契約の元、16年間アパレル業界に従事。 21社の会社を経営し、父の介護をきっかけに社会と向き合う若者に伝えたい思いを書こうと思い フリーランスのライターとして活動を開始。
◇趣味：オンラインゲーム　音楽